つくでの昔ばなし

村制施行八十周年を記念して発刊された一冊。

「はじめに」  

  「はじめに」
     作手村長 佐宗靖厷

 村制施行八十周年を記念して,このたび「つくでの昔ばなし」を発刊することができました。これには,村内の若いお母さんたちの集まりである,作手村文化協会の「あめんぼ読書会」の皆さんが中心となって,子供たちにも理解しやすいようにと,内容にも工夫を凝らしながらまとめ上げていただいたものであります。また挿絵の版画は,作手中学校生徒の皆さんが知恵をしぼり,腕によりをかけ,彫り上げてくれたものです。いずれも傑作揃いといえましょう。

 ここに収められたむかしばなしは,私たちの先祖が子孫に語り伝えた伝説や民話の数々であり,これはまた昔の貴重な文化として,私たちが後の世へ伝承しなければならないものだと考えるのであります。
 現在の社会は,物質文明の発達とともに大きく変容し,飽食の時代といわれる今日,物の豊かさから,心の豊かさを強く求める気運が急速に高まってまいりました。これは時代の趨勢とはいえ,人が人の心を失いかけたことに気付いた結果と申すべきでありましょう。素朴で温かみのある「つくでの昔ばなし」の中から,先人たちの生活ぶりを偲ぶと同時に,古人の心を感知して“人の心”を探求し,これが次の新しい発見,思考への糧となることを願うところであります。
 最後に,本冊子の発行に際し地方振興事業の適用をお認めいただいた県ご当局をはじ
め、ご尽力下さった関係各位に謹んでお礼を申し上げます。

表紙「つくでの昔ばなし」